◯ Pepper向けのアプリの開発の現状

Pepperが去年の6月に発表されてもう少しで1年が経ちます。 Pepper Tech Festival 2014で開発者向けのあらゆる情報が開示されるとその後、 アルデバラン・アトリエ秋葉原で実機を使った開発が確認出来るようになり、 初回生産分として開発者向け300台の予約を開始したり(完売済み)と徐々に開発しやすい環境が整い始めています。 その結果、Qiitaなどを中心にPepper向けのアプリの開発ノウハウも徐々に出始めてきました。

弊社でも今年2月にPepperがやってきて2ヶ月が経ちました。 情報の整理も兼ねて、これまで見聞きしたPepperアプリ開発のノウハウをまとめてみました!

その1回目、導入編です。 Pepperそのものについてや、開発ツール「Choregraph」について述べていきます。

◯ Pepperのバージョン

2015年3月現在、Pepperは購入時期によって2つのバージョンがあるようです。

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  1. Pepper2.0.5 (デベロッパー版ペッパー) 2月27日以前に「Pepper Tech Festival 2014」などで購入したバージョン
  2. Pepper2.3.0 (2月27日販売のペッパー) 前バージョンに対して、Atom E3845マザーボードと赤外線センサーを組み込んで大幅に改良したらしいです。

下の記事によるとPepper2.0.5は、すぐに 2.3.0のChoregraphe、NAOqi API & SDKとNAOqi OS にアップデートが出来ないようです。 (2015/3/30現在) Pepper用NAOqi 2.3.0ソフトウェアスイートを発表 −新しい機能や改良点に注目−

※本シリーズの記事は、バージョンについて言及していない限り、Pepper2.0.5の開発環境を元に書かれています。

◯ アプリケーション一覧と、アプリストア

アプリケーション一覧

Pepper2.3.0の取扱説明書によると、Pepper2.3.0は胸部ディスプレイをタップするとアプリケーション一覧が表示されるそうです。

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※Pepper2.0.5もファームウェアのアップデートが最近ありましたが、アプリケーション一覧の機能はありませんでした。

アプリストア

上の画像の「アプリを探す」でストアが起動して、アプリを直接インストールすることが出来るようです。

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Pepper上ではなく、PCからもアルデバランのストアからもインストールすることが出来ます。(下図) 右上部メニューから、APPLICATIONS -> Pepperと進むとインストールが出来るアプリの一覧が表示されます。 (その際にこのメニュー付近にある言語設定が”EN”ではなくて”JA”になっていることに注意!) インストールした後に、Pepper上の設定メニューからアップデートを掛けると同期が行われるようです。

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※アプリストアも残念ながらPepper2.0.5は使えません。

◯ Choregraph(コレグラフ)

アルデバランロボティクス社が、元々は人型ロボットNAOの開発環境として配布していた開発キット兼SDKです。 Choregraphの基本的な使い方は、既に各所でまとめられています。

この資料を見ると、Choregraphも2.3.0になって、大きな変更点が幾つかあったようです。 2.3.0をダウンロードして試したいところなのですが、アルデバランのサイトにログインしているアカウントがPepper2.3.0に紐づいていなければ、ダウンロードが出来ないようです。(下図)

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以下、Choregraphに関する覚え書きです。

Choregraphのダウンロード先

分かり辛い場所にあります。

  1. アルデバラン公式トップページ(日本語) ->
  2. ページ上部「Community」押下 ->
  3. 上部やや下のCommunityのメニューから「リソース」押下 ->
  4. 検索窓の下辺りにある「ソフトウェア」押下

※Aldebaran accountでサインインしないとCommunityに入れませんので気をつけてください。

2.0.5と2.1.2の違い

2.0.5と2.3.0の間に、2.1.2が存在します。 下図のアラートダイアログが表示はされますが、特に問題はなく動いています。 (Pepperというよりも、他の製品(NAO)用らしいです。)

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(2.3.0が使えないのならば)2.0.5でも充分なのですが、 「ロボットアプリケーション」ウィンドウ内が大きく変わっていて開発する上では2.1.2の方が便利だったりもします。

バージョン2.0.5の場合

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目標のアプリを手動で起動させるには少々手間が掛かります。

  1. ロボットアプリケーションタブを開く
  2. 目標のアプリを選択して、アプリケーションIDをコピー
  3. ロボット動作タブを開く
  4. フィルタに掛けて絞り込み
  5. 目標のアプリの再生ボタンを押下
バージョン2.1.2の場合

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ロボット動作タブが無くなり、手間が減りました。

  1. ロボットアプリケーションタブを開く
  2. 目標のアプリのパッケージ配下のコンテンツ本体にある再生ボタンを押下

◯ ライセンスキー

Pepperを購入した人

Pepperの出荷前後に登録したメールアドレス宛に「出荷完了およびロボットID/オーナー番号のご連絡」といった内容のメールが届きます。 このメールの本文中に、Choregrapheのライセンス番号が書かれています。 このライセンスキーは 無期限 です。

Pepperもしくアルデバラン社のロボット(NAO)をを持っていない人

アルデバラン社のロボットを購入した人にも、Pepperと同様にオーナーとしての必要な情報とともにライセンスキーがメールで届くのだと思います。 では、下のような人はどうやってライセンスキーを入手するのでしょうか?

  • Pepperは個人で持っていないけれど、アルデバラン・アトリエ秋葉原に通いながらアプリを開発したい人
  • Pepperは持っているけれど、開発者が複数人でアプリを開発

2015/3/30現在は上のようなケースに対して正式な対応は成されていないようです。 試用版のライセンスキーでやりくりするしか無いようです。

正式なライセンスキーは 1台のPCにのみ対応 しています。 ここに書かれている、シングルコンピューターライセンスに当たるのだと思います。 マルチコンピューターライセンスは、購入窓口は見当たりませんでした。

試用版のライセンスキーしか使えない人への救済処置が発表されるまでは、非推奨ですが次のような方法があるようです。 2015.4.1 以降も Choregraphe を利用する

◯ まとめ

いかがでしたか? まだまだ開発環境としてはアンバランスなところがありますが、日々着実に改善され続けているとも言えます。 それをリアルタイムで体感して、アプリの完成度を上げていく過程はワクワクして楽しいです!

次回は、実際に開発してみて気づいたことを幾つか紹介してみようと思います!



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