はじめに
今回は、最近何かと話題な Win 10 と IoT について「Raspberry Pi 2 & Windows 10 IoT CoreでWindows 10 PC、Whidnows 10 Mobileと同じアプリを動かしてみた」です。
最近ユニバーサル Windows プラットフォーム向けのアプリ作成を試す機会がありました。しかし、特色である様々なプラットフォームで動くといったところはあまり試せなかったため試してみることにしました。
準備するもの
- Windows 10 マシン:環境構築、アプリ開発
- Raspberry Pi 2:こいつで動かしたのでもちろん使用
- micro sd card:class10 16 GB、要件的には 8 GB あればよい
- USB 電源
- HDMI ケーブル
- ディスプレイ( HDMI 接続可能なもの)
- USB マウス
- USB キーボード
- DHCP での有線 LAN ネット環境
※1 ユニバーサル Windows プラットフォーム
ユニバーサル Windows プラットフォーム(以降 UWP )とは PC 版の Windows 10 や Windoww 10 Mobile、Xbox で同じアプリケーションを動かすことのできるアプリケーション実行環境です。
※2 Windows 10 IoT Core
UWP アプリを実行することが可能な組込機器での動作を想定した Windows や Raspberry Pi 2 などで動作するものが無料で提供されています。Windows といってもアプリの切り替えができないなど機能が制限されています。
※3 Raspberry Pi 2
ラズベリーパイ財団により開発されている ARM プロセッサを搭載した 5000 円ほどで購入が可能な比較的安価なコンピュータです。今回は Windows 10 IoT Core を入れたましたが、Linux で動かす方が一般的です。
動かすアプリの用意
今回、WIN10上で動かすアプリは本ウェブサイト:ギャップロを表示するだけのものを作成します。
手順1) Visual Studio 2015 のインストール
Community Edition をインストール。このインストールにはとても時間がかかります( 1〜2 時間は見込んでおいてください)。
また、UWP アプリの開発に必要な Universal Windows App Development Tools はデフォルトではインストールされないので、インストール中にカスタムを選んでチェックをつけるように気をつけてください。
手順2) 開発者モードを ON にする
設定 -> 更新とセキュリティ -> 開発者向け
から開発者モードにチェックをいれましょう。
手順3) manifoldjs インストール
manifoldjs は hosted apps ( 特定の Web ページを表示するアプリ ) を生成するものです。
chocoloaty などから node.js がインストールされているものとして、コマンドプロンプトで
npm install -g manifoldjs
というコマンドを実行することでインストールされます。
手順4) ギャップロを表示するだけのアプリを作成
manifoldjs のインストールが終われば、ようやくギャップロを表示するだけのアプリの作成に入れます。 とはいえ、これを作るだけなら以下のコマンドを実行するだけで完了です。
manifoldjs http://gaprot.jp/ -s Gaprot
手順5) ビルド・動作確認
実際に以下のコマンドを使用し、ビルドと動作確認をしてみましょう。
cd Gaprot manifoldjs visualstudio
コマンドを入力することで VisualStudio が起動し、そこから動作確認ができます。
Paspberry Pi 2 の環境構築
手順1) Windows 10 IoT Core tools のインストール
Windows 10 IoT Core tools のインストールは以下の手順で行うことができます。
- Windows 10 IoT Core イメージをここからダウンロード
- ダウンロードした ISO ファイル ( IoT Core RPi.iso ) をダブルクリックする。ISO ファイルが仮想ドライブとしてマウントされる
- Windows10IoTCoreRPi2.msi をインストール
- インストールが終わったら仮想CDをイジェクトする。エクスプローラで右クリックして"取り出す"を選択するとイジェクトされる。
手順2) Windows 10 IoT Core イメージのSDカードへの書き込み
Windows 10 Iot Core イメージを SD カードへ書き込むには以下の手順を踏む必要があります。
- マシンに micro SD カードを挿入する
- WindowsIoTImageHelper を使用して SD カードをフラッシュする。WindowsIoTImageHelper はスタートボタンから検索すると出て来る。
- フラッシュする SD カードを選択してフラッシュする
- SD カードを安全にとりだす
手順3) ハードウェアの接続
- Raspberry Pi 2 にmicro SD カードを挿入
- LAN ケーブルを接続する。( 開発用 PC と同じネットワークに接続すること )
- モニタと HDMI ケーブルやキーボード、マウスを接続
- 電源を接続
手順4) Windows 10 IoT Core の起動
PC 版に比べると起動に時間がかかります。また、少しブラックアウトするタイミングもありますがあわてないようにしましょう。
手順5) IoT Core でアプリを動作させる
Visual Studio でリモートコンピュータ、認証なしを選択すると動作させることができます。
PC や Phone も含めるとこんな感じになりました。
まとめ
Windows 10 IoT Core は、ちょっとしたデジタルサイネージや会社での受付システムなどの類を PC 向けと同じ技術で安価に構築したい場合に向くと感じました。
ただし、Raspberry Pi 2 は PC ほどには処理能力が高くない点には注意が必要かと思います。今回の場合だと Raspberry Pi での画面の遷移は体感で PC の 10 倍ほどかかっていました。