システム開発部のTです。
いつもはAndroid、iOSなどのネイティブアプリを開発や、フロントエンドアプリの開発に携わっています。ギャップロでは主にFlutterの記事の投稿をしていますが、今回は別の話をします。
外部GPSとは
外部GPS、聞き慣れない言葉かと思います。
皆さんが利用しているスマホには基本的にGPSが内蔵されています。
ここで言う外部GPSは、GPS専用デバイスにて位置情報を取得し、その位置情報をスマホに通知することで、内蔵GPSを利用することなく、位置情報を利用することが可能になるデバイスを指します。
外部GPSのメリット
外部GPSを利用するメリットとしては、以下になります。
- 位置情報の精度向上
- 1秒間の更新レート向上
上記2点が主なメリットになります。
(※一般的なスマホ、外部GPSとの比較になります)
位置情報の精度向上については、一概にスマホと比較はできないところではありますが、ほとんどの外部GPSにおいて、日本のみちびきに対応していたり、スマホのGPSでは非対応の人工衛星もキャッチしてくれたりするため、基本的には精度はよくなります。
また、スマホのGPSは基本的に1秒間に1回しか自車位置を測定してくれませんが、外部GPS次第では1秒間に10回以上の測位が可能なデバイスもあります。普段そこまで測位回数を気にすることは無いかもしれませんが、モータースポーツでの走行データ取得のときには、更新レートの高さが重要になります。
また、上記以外のメリットとして、スマホによっては内部GPSの精度が悪い場合、この外部GPSを利用することで、精度の悪さを補うことも可能になります。
おすすめの外部GPSデバイス
「外部GPS Bluetooth」と検索すると、結構多くのデバイスが表示されるかと思いますが、今回以下の外部GPSを紹介します。
Drogger DG-PRO1S

ビズステーション株式会社が販売している外部GPSになります。
Androidスマホのみの対応になりますが、AndroidスマホとBluetooth接続可能な外部GPSになります。
日本の人工衛星みちびきにも対応しており、高精度はもちろんのこと、更新レートも1秒間に最大18回というのも特徴です。また、対応中継アプリを利用することで、GPSを利用するすべてのアプリに対応できます。
欠点として、この外部GPS自体にバッテリーがなく、USB電源のみのため、別途USB供給可能なバッテリーを用意するか、車での利用であればシガーソケットから電源供給する必要があります。
他にも外部GPSはございますが、今回はこのDG-PRO1Sを利用していきたいと思います。
中継アプリについて
外部GPSを利用する際、外部GPSをスマホのGPSとして利用するための中継アプリ(実際はGPSモックアプリ)が必要となります。
今回DG-PRO1Sを利用する場合、専用アプリとして以下のアプリがありますので、あらかじめインストールしておきます。

インストール後、設定画面を開き、「システム→開発者向けオプション(※)→現在地情報の強制変更アプリを選択」と進み、上記でインストールした「Drogger GPS」を選択します。




※「開発者向けオプション」はデバイス情報画面の「ビルド番号」を複数回タップすることで表示されます。
※上記はAndroid12の設定画面を例としています。
これで準備完了です。
外部GPSを設置
本件では、接続端末がAndroid端末であることと、車両に搭載することを前提に書いていきます。
DroggerGPSはUSBでの電源供給になるため、シガーソケットからUSB電源を取得するようにします。
USB接続できればいいのですが、私は以下の車載器を使っています。

実際に設置した配線の写真が以下になります。



GPS中継アプリ(DroggerGPS)の接続設定
外部GPSを配線後、自動車のイグニッションをONにすることで、シガーソケットから電源が供給され、外部GPSが作動します。その際、あらかじめ外部GPSとスマホをBluetoothでペアリングしておきます。

その後、DroggerGPSアプリを起動し、以下の操作をしてください。




以上で外部GPSとの接続操作は完了になります。
GoogleMapを開いてもらうと、現在位置を正確に示しているかと思います。
使いどころについて
正直なところ、スマホ内蔵のGPSが精度高い場合、あまり外部GPSに切り替える必要は無いと思われます。私自身も、スマホをカーナビ代わりに利用していますが、内部GPSでも十分機能していました。
では、どういったところで必要になってくるのか?
まず、スマホ、およびタブレットに内蔵GPS自体が搭載されていなかった場合、当然ですが位置情報を把握することは実質不可能になります。そういう端末においては、今回紹介した外部GPSが役立つかと思います。特にタブレットに関しては、GPSが搭載されていない機種もあり、そういう機種に外部GPSを接続することで、GPS搭載機と同様、位置情報が取得できるというわけです。
筆者の場合、主にモータースポーツの一種であるジムカーナ競技で、走行ラインを見るためのデータロガーとして利用しています。内蔵GPS以上の精度と更新レートが必要になるので、本件で紹介した形で利用しています。Droggerのサイトを見るとわかりますが、主にモータースポーツでの利用を前提としていますので、アプリも一通りそろっています。
最後に
いかがだったでしょうか。
今回、通常あまり利用する機会の無い外部GPSについて書いていきました。
スマホのGPS精度が悪かったり、内部GPS以上に更新レートが必要だったりするときに上記の記事を思い出していただければと思います。