はじめに

こんにちは!システム開発部のYです。

WWDC2025では、visionOSのビデオ体験の詳細について発表されました。
本記事では、以下のセッション内容をまとめています。詳細については、WWDCセッションをご参照ください。

Explore video experiences for visionOS / visionOSのビデオ体験の詳細

目次

新APIの概要、既存APIの変更点など

2D and 3D

2Dビデオは埋め込みの再生体験を利用することで、アプリのUIからいつでもインライン再生できます。
3Dビデオをインラインに埋め込んだ場合は、自動的に2Dとして再生されます。

2Dと3Dの両方のビデオは、共有スペースでスクリーンいっぱいに再生できます。
3Dビデオを立体的に再生するには、拡張表示にする必要があります。

2D/3Dビデオは仮想環境でドッキング状態にすることもできます。
これは、Reality Composer Proで作成されたアプリ独自のカスタムスタジオ環境内にドッキングされます。

visionOS 2ではマルチビュービデオが導入されました。
ユーザーは1つのイベントを複数のカメラアングルから、あるいは複数のビデオソースを通じて、Vision Pro上で同時に楽しむことができます。

visionOS 26では、2D/3Dビデオにフレームごとのダイナミックマスクを指定でき、フレームサイズやアスペクト比を変更したりアニメーションさせてストーリーポイントを強調できます。
さらに、過去のビデオと最新のビデオを1つのシーンとして組み合わせることも可能です。

Spatial

空間ビデオは追加のメタデータを含むステレオビデオです。
デフォルトではウィンドウ内にレンダリングされ、エッジの周囲がわずかに明るく表示されます。

また、他のプラットフォームでは空間ビデオは自動的に2Dで表示されるため、すべてのAppleデバイスで再生可能です。

visionOS 26では、同じ空間スタイルがAppleのすべてのメディア再生フレームワークに取り入れられます。Quick LookにはQLPreviewControllerのサポートが追加され、さらにAVKit、RealityKit、Safari、WebKitでも対応が拡張され、あらゆるアプリに空間ビデオを導入できるようになります。

空間写真については、visionOS 26の新しいRealityKit APIを使用することで、アプリ内で空間写真を表示したり、2D写真を3D空間シーンに変換したりできます。

180° / 360° / Wide FOV

visionOS 26では、3種類の非直線投影メディアタイプがネイティブにサポートされます。

180度ビデオはユーザーの目の前にある半球に投影され、前方視野いっぱいに広がります。

360度ビデオは、ユーザーを中心に全方位をコンテンツで満たします。
文字通り周囲を完全に包み込み、どの方向でも自由に視聴できます。

3番目の種類として、visionOS 26では新たに非直線投影ビデオが追加されました。
これにより、GoPro HERO13やInsta360 Ace Pro 2といったアクションカメラで撮影した映像を安定して再生できます。

visionOS 26では、これらのアクションカメラで撮影した映像をイマーシブに再生できる新しい形式が導入されます。各カメラ固有の広角レンズプロファイルを、3D空間内で曲面として再現できます。

visionOS 26では、180度・360度・ワイドFOVビデオが、Apple Projected Media Profile(APMP)と呼ばれる新しいQuickTimeムービープロファイルとしてネイティブにサポートされます。

MP4/MOVファイルに拡張メタデータを付与することで、180度や360度の映像を標準映像と同じ操作感で扱える新しい仕組みです。

既存の多数のビデオをAPMPに自動変換する機能も追加されました。

Canon EOS VRシステムで撮影し、EOS VRユーティリティで変換したステレオ180度ビデオは、Vision Proで開くと自動的に180度APMPに変換されます。

GoPro MAXやInsta360 X5などのデバイスで撮影した360度ビデオは、自動的に360度APMPへ変換されます。

GoPro HERO13やInsta360 Ace Pro 2など、最近のアクションカメラで撮影したstraight-off-the-cameraビデオは、自動的にワイドFOV APMPへ変換されます。

macOSのavconvertコマンドラインツールもアップデートされ、既存の180度や360度コンテンツをMac向けのAPMPに変換できるようになりました。

空間ビデオと同様に、Appleのすべてのメディア再生フレームワークでサポートされ、HTTP Live Streamingにも対応します。

APMPコンテンツは拡張型のイマーシブ再生に対応していますが、埋め込み型のインライン再生には対応していません。

カメラで撮影した映像をそのまま提供する場合、イマーシブ再生はカメラの動きに大きく影響されます。
これを軽減するためにQuick Look、AVKit、RealityKitに自動ハイモーション検出が追加されました。
ハイモーションが検出されると再生時の没入感が自動的に抑えられ、ユーザーは動きの激しいシーンでもより快適に視聴できます。

設定アプリには、ユーザーのモーション感度レベルに合わせてハイモーション検出をカスタマイズできるオプションがあります。

Apple Immersive Video

Blackmagic URSA Cine Immersiveカメラを使用すれば、Apple Immersive Videoを自ら作成・編集・配信できます。そのスペックは非常に高く、各カメラのすべてのレンズは工場で個別に調整されています。
Cine Immersiveのステレオビデオは8,160ピクセル、つまりカメラあたり毎秒59メガピクセルを90フレームで撮影可能です。

URSA Cine Immersiveは、水平方向と垂直方向それぞれで最大210度の視野角を撮影できます。
そのシャープネスは人間の目にほぼ匹敵します。

visionOS 26では、APMPと同じメディアフレームワークをすべて利用してアプリでApple Immersive Videoを再生でき、HTTP Live Streamingにも対応します。

コンテンツ作成パイプラインは、主に4つのステップに分けられます。

まずURSA Cine Immersiveカメラでビデオを撮影し、次にDaVinci Resolve Studioで編集します。
続いて、macOSとvisionOS向けの新しいApple Immersive Videoユーティリティアプリでコンテンツをプレビューして検証し、最後にCompressorでセグメント化してHTTP Live Streaming向けに配信します。

Apple Immersive Videoを扱うために、非線形エディタやカスタムパイプラインツールなど独自ツールを開発したいプロのアプリデベロッパー向けに、macOSとvisionOS 26で新たにImmersive Media Supportフレームワークが導入されます。
このフレームワークを利用することで、Apple Immersiveコンテンツをプログラムから読み書きできるようになります。

詳しくは「Learn about Apple Immersive Video technologies」をご覧ください。

Learn about Apple Immersive Video technologies

Choosing a profile

すべてのメディアプロファイルをまとめて概観します。

  • フラットな画面で表示される2Dビデオと3Dビデオ
  • フラットな画面の奥に挿入されウィンドウ形式で表示される空間ビデオ(イマーシブ再生では実物大で表示)
  • 半球型や全球型の画面に投影される180度/360度ビデオ
  • アクションカメラの広角レンズ映像に相当する曲面メッシュに投影されるワイドFOVビデオ
  • 撮影したカメラの各レンズを精密にキャリブレーションして得られる、高解像度ステレオビデオのApple Immersive Video

180度、360度、ワイドFOVのビデオにはモノラルとステレオの両方がある点が重要です。
一般的に、180度ビデオはステレオで、360度とワイドFOVはモノラルです。

この表では、各種ビデオがどのように再生できるかをまとめています。

3種類のAPMPビデオでは、すべて自動的にハイモーション検出が有効になっている点は注目すべきポイントです。
さらに、2D、3D、空間ビデオはいずれも直線投影を利用できるため、インライン埋め込みで2D再生に対応しています。

まとめ

visionOSのビデオ体験についてまとめました。

2D/3Dビデオや空間ビデオ、180°/360°/ワイドFOVといった多彩な形式のネイティブサポートに加えて、Apple Immersive Videoの制作・再生環境や、新しいAPMPプロファイルも登場しました。これにより、開発者がよりリッチで臨場感のある体験をユーザーに届けやすくなっています。

今回のアップデートで、visionOSでの映像体験はこれまで以上に広がり、進化を続けていきます。
アプリのユースケースに合わせてプロファイルを選び、新しいAPIを活用することで、没入感たっぷりのコンテンツをもっと多くのユーザーに届けられるでしょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。詳細はWWDCのセッションをご参照ください。

参考



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